汚染水の海洋排出②

海の話再び。

汚染水の海洋排出。

本件に関して、中国政府の対応はかなりまっとうなのでは、とあいかわらず感じています。

中国への輸出が生活費の多くを占めていた罪のない日本の水産業者を日本政府がケアする必要があるのと同じことで、中国政府には中華国民を守る義務があるでしょうし、先日は国際機関として監視の担当を受けもったIAEAに、一員として訴えるという至極まっとうなことをしたと思います。しばらくは日本人街で日本人が襲われたりという、あってはならないことがあったとのニュースもありましたが、収まってきたのかな、という印象ですし。(それにその事件に関しては、起きてはならないことではあるものの、各自の人間性の在り方の問題で、どこの国でもありえる別問題です。)

おかげで、新聞のニュースレベルでも、日本国民にもそれなりの詳細が伝わってくるようにもなりました。日本政府も、かなり一生懸命な感じで、慎重姿勢を感じます。少し安心しました。やっぱり日本政府と同等か、優位な組織がごねないと、改善点を能動的に探す、ということは行われないでしょう。私が政府でも、決めたからには問題は出てほしくないですし。

https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/hairo_osensui/shirou_alps/reports/02/

さて、今回中国政府から正式な苦情を受けたIAEA。日本政府は10年かけて海洋放出の準備をしていたと思いますが、IAEAの方は過去2年くらいで準備してるような印象ですね。放出に同意するのに確信を持てた、ということなんでしょうが。。。

分析手法を見ましたが、放出前のサンプリング30サンプルかぁ。4K-Bタンクというもののサイズは知らないですが、分析に必要な水の量って100-500mlくらいだと思います。言い出したらキリのないことではあるものの、何千トン分からとったのでしょう。あと、公表されている値が海水とか、海藻とか、海底蓄積物からのサンプルばっかりなんですが、タンクの水の分析値も詳細に公表してありますかね?生データの分析表はないようですが。引用されている手法が、科学論文からではなく、政府資料とIAEA資料だけなのも気になります。方法は誰がどこから探し出して、どのように決めたんでしょうか。股引きしていかないとわからないのかな。。。それとも、決めた人を世間から守るために完全秘密でしょうか。。。とか、年寄りだからかもしれませんが、分からないことも多いです。いろいろ気にはなりました。

しかし、海はみんなのもの。

オーストラリアとニュージーランドとカナダとアメリカが金銭的支援(!)をしてくれていて、おそらく分析参加国でもあり、データーほしい国と海を守りたい国のうちから親日国を選んだ感じではありますが、いずれもクリーンなイメージ。参加している研究所、研究室はまぁまぁ複数で、原子数もかなりの数であることが第一回の報告書からは分かります。ちゃんと2022年に放出前のデーターを取っているのは大切ですが、この時点で海洋放出は完全に合意済みだったんでしょう。

政府、外交面も着々と準備してますね。この辺で、中国とかにも話を振れるだけ仲良しだとよかったのに。。。

今回中国も対応がかなり速かったので、政府間ではある程度情報共有はあったのでしょうが、結果的に見て、やっぱり誰かがごねてよかったと思います。ごねてくれるところがないと、計画の見直しや慎重姿勢の維持というのは保たれないのが、人間の性ですので。。。

日本にも賛同する科学者と、警告する科学者と、その中道を行く人がいて、科学者の良心は、人類の標準です。それ以下でもそれ以上でもありません。教育水準は高いので、識者の意見はそれでも無知の人よりはずっと多角的で慎重ですが、それはもちろんなのですが、それでも人生を一巡して心を育てている最中の、一人の人間です。本件に関わる科学者が、とは言いませんが、権力者に媚びる人は少なからずいます。
いっそ中国がIAEAと共同で一緒にモニタリングして、気になることがあったら水産物の輸入禁止、とかいうふうにしてくれたら海洋放出は継続的に注意深く実施されるんだろう、と無力な一国民としては思ってしまったり。というわけで、個人的には少し能動的に駆け引きしてほしいですが、これはいったん放出ありきの意見のなので、中国としてはやらないでしょうね。とりあえず放出後一回目の分析結果待ちというところですね。

IAEAも中国に懸念に対しても誠意ある対応をすると思うので、この間の苦情(演説)を受けて、見直しが入るかもしれません。

海はみんなのもの

海洋汚染はすでに深刻で、海の生物はすでに悲鳴を上げています。海に犠牲をして、人類の持続的な存続SDGSが達成できるとは、取り決めた政治家と有識者にだって、思っている人はいないでしょう。

問題対応、という点で、見て見ぬふりはしないので、今の政府は比較的好きです。選挙のない時期に色々決めることが多すぎるあたりがちょっと…、とは思いますが、税金も軒並み上がったことですし、生活が懸かっている人たちは政府に頑張ってもらいたいとして、汚染水(だか処理水だか)の海洋放出の流れに関しては今後も注視していきたい課題です。

地球には自浄作用があります。でもすごくすごく時間が必要なものだから。産業革命以降、人類は、もうずっと速すぎて、循環の流れを滞らせるくらいのすでに汚泥をためてしまっているから。

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