(cafe) Cafe Panis (paris, France)

フランスにいたころ、手ごろで美味しい、を叶える店になかなか出会うことができませんでした。安い居酒屋の代名詞であるブラッスリーに入っても、昼食に25ユーロはかかるので、半年くらいは外食は最低20ユーロかかるものだと思っていました。日本はアジアだったんだ、定食安かったんだぁ、という発見をさせていただいたのがパリでした。

20ユーロはとても毎食払えません。友達と気軽に出かけたり、疲れた時にランチが手ごろにできるお店は存在しないのか、と哀しく過ごしていました、しばらくは。しかし、もちろん ちゃんと存在しています。お友達がすぐできるわけでもはないし、フランスの人は特別な時に外食するので、そんな店に出会うまではかなりの時間がかかる、というだけです。

あちらこちら行ってはみるものの、カフェもともかく好奇心からとりあえず一回行ってみる、という訪問が多い、リピート率の極めて低い私ですが(そして一回しか行っていなくても割と厳しくダメだしする偏屈ばあさん)、パリにはたった3軒ですが、リピートしていたお店があります。滞在していた期間の短さを思えば、多いような気もします。

ノートルダム大聖堂はあまり入りませんでしたが、界隈が好きでウロチョロしていたサン・ミッシェル。こちらにその一軒があります。cafe panis。大聖堂の真ん前、というかセーヌ川と大通りを挟んではいるけれど、隣に建っている感じで、大変わかりやすいです。

ノートルダム大聖堂の修復が、熊本城の修復より遅いようなので、周りのかわいらしいお庭や大聖堂を訪れていたたくさんの良き人々のことを想って、今日はcafe panisをご紹介します。

最初は、ウインドウに飾られたティラミスに惹かれて入ったのです。でもそのティラミスは今日まで食べないまま、滞在中にできたベトナム人のお友達や一人で何度かランチに寄ったカフェ。ここのsalade niçoise は絶品でした!

寄ると大体いつもメニューが変わっていて、同じものを食べれる可能性は低いのですが、今のところいつ行っても、10ユーロ強で、おなかがいっぱい食べれて、美味しくて、ボリュームもありましたよ。パリの良いところは、定着したものはなかなか変わらないところ。フランスは旅したのはうんと前で、しかもこのコロナ渦中、どんどん年だけ取ってしわしわになっては、今後行くこともかもしれないけれど、きっと変わっていないと、なんだか強く信じることができます。

Cafe Panis: https://www.cafepanis.com/

最後に行ったときは中国人のウェーターさんがいました。主にアジア人担当。

じーと、観察していて気が付いたんですけど、アジア人って在住者も観光客もあまりチップを置かないんです。だからフランス人やほかの国のウェーターさんがテーブル担当を嫌がる。同じ国(あるいは地域?)のお客だろう、というので彼が頑張っていたようです。20%料金上乗せ、みたいな気分になってしまうアメリカのチップと違って、ヨーロッパのチップは1ユーロとか2ユーロでいいので、貴方が社会人になってちゃんとお給料をもらっている人だったら、旅先のチップ、愛をもって置いていってあげなくちゃと思わせてくれた、彼。しょっちゅうお金がないと書く私ですが、あの時はすでにお給料をもらって働いていましたから、わずかながら礼儀正しくコーヒーカップのお皿にのせていきました。チップを置くのは当たり前でも、余分に少し心込めて。外国で頑張るお兄ちゃん激励!

賑わいと青空が似合うカフェです。

ノートルダム大聖堂は荘厳すぎてあんまり感心したことはなかったけれど、一緒に行く友達をいつも満面の笑顔にしてくれた場所。小さなお庭に小さなお花、そこに集うハトとスズメと、幸せで笑顔いっぱいにカメラを構えていたあの頃の観光客と、やっぱりうららかに散歩していた地元の人、そして人種の壁を越えて海外で頑張ってる若者に愛をこめて。

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