(cafe)珈道庵 (佐賀市 三瀬)

家族で唯一コーヒーにこだわりがあるのは父です。私が珈琲を飲むようになっただけでなく、一緒にうんちく垂れて酷評したりするようになったのを、それは面白がって、実家に帰るたびにコーヒーを淹れてくれるようになりました。ただ、我が家は田舎にあって、周りには田んぼしかないような場所にありましたので、お店にコーヒーを飲みに行こうと私を誘ったことはありませんでした。

そんな父がいそいそと連れて行ってくれた店が2軒だけあります。

2軒とも佐賀の三瀬峠のお店です。三瀬峠は、地元の人の不断の努力によって、それは美しい山間の風景が保たれている場所です。三瀬村村おこしのためにおしゃれな店がどんどんでき始めていたころのことで、だいぶん昔ですが、昨日、市川屋珈琲さんのコーヒーを澄みきったコーヒーと紹介したので、父が連れて行ってくれたお店のうち1軒の、それに勝るとも劣らぬ澄んだコーヒーを出すお店をご紹介します。

珈道庵

https://tabelog.com/saga/A4101/A410101/41004918/

珈道とあるように、こちらのコンセプトは大変明確です。茶道のように、華道のように、気品と強さを持つ珈琲。

父は感銘を受けたのでしょう。初めて行った私も感銘を受けました、そのこだわりに。

まずお店が、大変雅です。器も凝ってます。

大きなマグカップにコーヒーをたくさん入れて、山小屋の薪ストーブの前で飲むコーヒーを愛する父と私ですが、その我らをすっかり感心させたこだわりのお店だったのでした。

この時私を喜ばせたのが、実はコーヒーの箸休めとしておまけで出てきたヴァローナチョコレート

昔、短期間でしたがパリで仕事をしていた時期があります。その頃、私が出会ったフランス人は、みなチョコにすごくこだわりがありました(ダークチョコ派が多かったです)。しかしその割にパリでみかけるチョコレートチョップがすべてベルギーチョコであったため、不思議に思って同僚のフランス人研究者に「フランスのチョコレートショップはないのか」と聞いたら、帰国前にその方が下さったのが、このヴァローナチョコレートでした。ラファイエットで見つけたら、たいして大きくもないひと箱が7ユーロ、大変高額なチョコレートでした。私には、珈道庵さんのこだわりの詰まった珈琲は肩が凝りましたが、父からチョコをもらってホクホクしたものです。今はどのくらいの知名度でしょうか?私が訪問した当時は、日本では、インターネットでも購入できなかったので、珈道庵さんがカフェ運営というチョコの大量消費をどのようにまかなっていたのか、非常にミステリアスです。いまでもこのチョコレートを出しているのかしら…。

すっかりチョコレートお話ですが、いえいえ、主役はちゃんとコーヒーです。

今でも記憶に鮮明に残る非常に澄んだコーヒーでした。

安くておいしいものを探すのが、私と父とポリシーですが、父はそれからも珈道庵さんには時々行っては、水だし珈琲を買ってみたり、豆を買ってみたり、非日常を楽しんでいたようです。

今の様子は存じませんが、話に聞く範囲では珈道庵さんのこだわりは、今でも変わっていない模様。美しい三瀬の自然の中で、気品の空間を堪能しながら、雑味を取り除くことにこだわった澄んだ日本のコーヒーを飲んでみたい方におすすめします。

ちなみにもう一軒は、のっちさん :https://tabelog.com/saga/A4101/A410101/41002761/

父と母は二人で連れ立って、むしろこっちでデートしていたようです。こちらは母と3人で行きました。犬がたくさんいて、父も母も、犬の可愛さにメロメロだった模様です。のっちさんのブログを読んでは、のっちさんとこの犬の話をしていました。こちらは、我らのコンセプトにぴったりの、肩ひじの張らないのんびりしたカフェでした。

コーヒーショップに連れて行ってくれたのは、今思えば、実家に帰省した私をどこかに連れて行ってくれようとした親心もあったんだと思います。年を取ると、遠くに行くのは大変ですもの。親より若いとはいえ、私もすでにいい年でした。年寄り3人のちょっとおしゃれで楽しいお出かけにぴったりでした。三瀬のお店は、どのお店も父と母と一緒です。どちらのカフェもまだありますが、今日の情報は少し古いです。でもきっと変わってないですよ。

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