桜花

春にやはり心浮き立つものが、桜の開花。

金曜日の1分咲きから、大雨の週末を超えて、あっと5分先程度まで花開きました。つかの間の桜、列島を薄紅色に彩る花々。

宇治川の桜

すでにミモザ、レンギョウは終わりを迎えつつあり、雪柳が満開。新緑の時期も早いのでしょうか。

散歩においでよ、と風が誘う季節です。

しなければいけないことなんて本当はあんまり多くはないんだよ。そんなものうっちゃっておいて出てきなよ、って。

花の命は短いが故に、お天気の日和にはカメラ片手にぜひ出かけたい貴重な数週間の到来です。梅も香良く、桃もボケも華やかですが、桜の幻想的な煙るような花吹雪きは、人心をとらえて離さないような気がいたします。

家族や友達と過ごした時間、一人で見つめた花も含めて多くの思い出が、桜の花びらに、幾層にも重ねられて増えていく。

日本の人々の暮らしの中の笑いや悲しみ、日常に積み重ねられている思い出を、日本一その身に宿している花ではないでしょうか。

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力及ばないこと、哀しいこと、理不尽なこと、何とかしたいこと。

嬉しいこと、伝えたいこと、叶わぬ夢や叶えた夢。

それぞれの立場や人生の途上において、身近なことから遠い海外の情勢まで、想うことは違うでしょう。日常は人によって大きく異なります。

子供こと、親のこと、受験のこと、友達のこと、明日のおかずのこと、スーパの物価のこと、鳥インフルエンザやアフリカ豚熱のこと、イナゴの大量発生のこと。洪水のこと、火山爆発のこと、温暖化のこと。絶滅に瀕した生態系のこと、アマゾンの火災のこと。ミャンマーのこと、香港のこと、コロナのこと、地震のこと。シリアのこと、難民のこと、海外からの労働者のこと。振るわれた暴力、いじめ、トルコの女性の権利条約破棄のこと、原発のこと、原爆のこと。開発のこと、道路工事のこと、家に頭の黒い害虫が出て殺虫剤で殺してしまうときの罪悪感、薬剤耐性昆虫や菌のこと、環境汚染のこと、ミツバチの大量死のこと。分かってもらえないことの憤り、わかってもらえてもどうしようもない無力感、分かってあげられても何もしてあげられないもどかしさ。

投影される時代、出来事、心、関係なさそうなのに、すべてつながっていて。。。

会いたい人、会えなかった人、傍にいる人、遠くにいる人、胸の中の愛しい人々

なんでもない日常、と表現できる日常を分かち合いたい。

全部全部ぎゅっと抱きしめてくれているような柔らかい桜色の花びら。

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桜は舞姫です。

皆様の願いを花びらに乗せて天まで届けてくれますように。

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