榊原町の古代米がとても美味しいという話(津市 榊原温泉)
三重県津市には、榊原温泉という温泉町があって、これは枕草子で清少納言が「七栗の湯」とほめたたえる日本3名泉の一つ。
有馬の湯にはまだ使ったことがありませんが、玉造温泉と榊原温泉の湯は、毎日使ったらお肌すべすべになるだろうなぁ、とうっとりするほどお湯質が良いです。私は九州で生まれ育ち、家の近所にそれなりに温泉があり、小さいころから温泉に親しんできただけでなく、温泉好きであったことから、下呂温泉にも箱根にも和歌山の竜神の湯に世界遺産の湯の峰温泉にも、むしろ有馬温泉にまだ行ったことがないことを不覚と感じるほどには、高名な温泉にも高名でない温泉にも割といったことがありますが、すべてと比較しても榊原温泉は本当に良い湯質です。
旅に出てそこに温泉があれば必ず立ち寄る、という私であっても、まぁ、打ち身に効くとか、温泉の効力というのはそれぞれの湯質で違うので、そうはいっても簡単に比較できるものではありませんですが、平安時代の女房よろしく美容に関心のある方ならば、嬉しくなること請け合いです。日帰り温泉もあるので、たびたび足を運んだらかなり良いと思われるそんなお湯です。
そこまで栄えているわけでななくて、風情もわびさびして夏には蛍が舞うような田園風景の中に静かに鎮座しています。素朴さを感じたい人にもおすすめです。
そんな榊原町へ、秋の風情に背中を押されて、霜月の終わりに行ってきました。
意図せず紅葉が正に見ごろで、到着した日はお天気がうつろいやすい日でしたが、晴れ間は美しく、虹も大きく空にかかる、そんな福福しい一日でもありました。散策して、お湯につかってご飯を食べて、楽しい滞在をした週末でした。
そして出立の朝に、津市が開催するトラック市というのが小学校の校庭(マラソントラック)で開催されているのに行き合いました。
榊原氏は小さな町なので、小学校は一学年に一クラスないのでしょう。子供たちがひどく大切にされている街の心が伝わるそういう市で、高校生が考えたレシピ本を添えて地元の野菜を売っていたり、小学生がデザインしたバッチを配っていたり。消防隊の方が来訪の車の整理を手伝っていたり、目的はどちらかというと、交流することそのものという印象。地元の一体感が伝わる暖かい市でした。
そこで、古代米をいただいたんです:https://www.isenp.co.jp/2019/09/11/36169/
どうやら来た人全員に全く無料(タダ)であげていて、しかも大盤振る舞い。たくさんいただきました。
くれたお兄さんは笑顔いっぱい、傍のおじさんは古代米の炊き方を丁寧に教えてくれました(普通に炊飯器で炊くんですけどね)。
それで最近この古代米を食べているのですが、これがびっくりするほど美味しいんです。
もう少し若ければ、「うまい!!」と食べるたびに叫びたいくらい。
新米だからかもしれないですが、柔らかくてもちもちで、外に薄い皮が残っているのですが、これがプチプチ音を立て、それになんだか甘くこおばしい香りで炊き上がるのです。良い香りにまず鼻が喜び、口に入れたらその香りが口いっぱいに広がって、その香りを裏切らない甘くておいしいお米の味がすることが、毎回期待以上というのは、実に素晴らしいことです。過去には「夢ごこち」というお米を白米100%で食べていた頃に同じ経験がありますが、その後健康を考えて白米100%をやめてしまったので、大変久方ぶりの感動でした。
私は小さな時から不思議に日本人にあるまじく小麦好きで、米食の数は一般家庭よりかなり少ないのですが、このお米はパンに負けずに食べたくなります。これまで、麦飯や雑穀米、玄米を白米に混ぜて食べてきた私ですが、この古代米が一番おいしい。ほんとに美味しい。
現在滋賀県産コシヒカリと榊原町の古代米を一対一で混ぜて、半日以上うるかして、炊飯器で普通に炊いております。
交流市のような場所で無料でくれたということは、広く来訪者に美味しさを知ってもらおうという心意気であるはず。わたしはここで高らかに美味しさを保証したく思いました。
機会があれば逃さず、ぜひ榊原温泉に行って、七栗の湯の浸かり、お米食してもらいたい、と思った、短い旅の記録。