(cafe)みはし (東京 上野)
東京に初めて行ったとき、絵画好きの私が一人で初めて向かったのが上野。
上野公園の良さにも不忍に池にも目もくれず、西洋美術館、科学博物館、東京博物館と回ったものでした。ビバ学生料金!
お金に関する感覚は、人と違って、年を取るごとにぜいたくになるものの、金銭感覚は常に一桁同世代の友人よりも低い若者でした。
普通にお金も持ってなかった、と思います。次々に服を買いかえる友人たちが正直、脅威でした。
そんな青年期だったので、海外でも国内でも旅行のホテルは安いビジネスホテル、食事はスーパーやコンビニで、という感じでしたが、でもやっぱりせっかくの初東京。お腹も空くし、コンビニじゃつまらない、と思って、上野公園入り口近くで、お持ち帰りあんみつを買って、上野公園のベンチで食べたのがみはしさんとの出会いです。
プラスチックパックに入った簡単なあんみつなのに、本当においしい!
と心から感嘆したのを、いつまでも忘れられず、東京に行けばみはしへ必ず立ち寄っています。
何十年もたった今でもです。
10代の小娘を感嘆させるのはジャンクフードにもできますが、何十年も感嘆させ続け、小娘がしわしわになっても、必ず立ち寄る、というのは、すごいことだと思いませんか。
あの頃は喫茶店に入る財力のなかった私も、バイトや仕事をするようになってからは、そのうち喫茶店も元気に入るようになりました。ソフトクリーム付きフルーツあんみつも、豆かんも。今日までいつも美味しくいただいている、本当に素敵なあんみつ屋さんです。
私は長く京都に滞在していた時に、京都のあんみつを食べ歩きましたが、それでもみはしさんを超えるあんみつとは出会いませんでした。コスパも考慮しますとね。
さすがに京都の虎屋のあんみつと豆かんは美味しかったですが、虎屋の場合、小豆や赤えんどうで勝っても、なぜだか寒天で差し引きゼロとなり、価格を考えると、やはり、みはし、となるわけですね。
なぜかしら、京都のあんみつの寒天って、一様に食感が柔らかいんですね。好みの問題なんでしょうが、ゼリーやプリンと一緒で、寒天の堅さって、個人的には重要だと思います。
時は流れて、みはしさんでのお気に入りは、あんみつから豆かん、最近はみつ豆に変わってきていますので、お若い方にはあんみつを、少しお年を召した方には、豆かんとみつ豆をお勧めいたします。
さて、そのみはしで、最近初めて、甘味以外を食べました。それが大変美味しかったので、デザートに頂いた特注クリーム豆かん情報をとともにご紹介します。
さて、注文したのは、お雑煮です。
メニューに年中あるみたいです。
東京出身の知人に聞きましたが、関東雑煮というわけではないよう。溶き卵がふんわり浮かんだ優しいお味の雑煮でしたよ。角餅が入っていて、これが関東風(関西以西は丸餅)。注文を受けてから網で焼いてくれたことが分かる香ばしいお餅でした!
お雑煮は日本の郷土を代表する料理であるため、各地で違います。京都は白みそ雑煮。博多はぶりとカツオ菜。香川は白みそ雑煮にあんこ入りのお餅が入っています(餡餅!?とみんな言いますが、ずばり美味です。白みその底力を悟れます)
図らずしも、東京でお雑煮が食べれて、しかもおいしくて、私は大満足でした。その上安い。
クリーム豆かんはメニューにはありません。
言えば作ってくれます。多分豆かんにソフトクリーム100円分みたいな価格だったかと。あんみつならクリ-ミィ爽やかなみはしですが、クリーム豆かんは、濃厚まったり!という味です。ということで、こってりいきたいときにお勧めですよ。
若者かお年寄りまで、懐にも優しい、庶民がにぎにぎしく楽しんできたのであろう、と感じられる、お江戸感じるお店だと思います。
肩の力を抜いて楽しむ、庶民の幸せが、ここにあると思います。