銀河鉄道

僕たち ちょっとした縁で結ばれて

同じ日に 同じステーションの片隅で 行先の同じ切符を買いました

黒いセーラーをなびかせて 列車で働く人々に挨拶をしながら どこか古めかしい列車に乗り込みました

出発進行 列車はクルクルと走り出す

ジョバンニとカムパネルラを想うけれど 彼らの乗った列車とは違う 

天鵞絨なんてどこにもない 木の椅子に 木の机 白いチョークのある列車

僕らは ただ 共にあり

水溜まりに写った空から 鳥は飛び出し 

広げた本から 笑い声が こだまする

そういうものを 見聞きして

座席の間を あちらに移り こちらに移り 

星を摘んでは それを植え 可愛い花を咲かせました

そのあいだに たくさんの人が乗り込んできては また 各々 降りていく

あぁ みてください

緑の切符を未だ持たない 僕らの終点も 見えてきました

次の停車場のざわめきの中で ステーションのアナウンスを聞きながら 

僕らもまた 別れを告げあう

ある者は 別な場所を目指して乗り換え ある者は そのまま徒歩で 忙しく歩き去っていく

*

けれど いつか 

けれど いつか

あの淡く輝く 青い銀河ステーションで 僕らはまた 出会いましょう

そうして 手を取り合って 列車に乗って 隣どおしに腰かけて 

これまでのこと これからのこと 今のこと 

話しながら 行きましょう

ほんとうの幸いを 求めて どこまでも どこまでも 行きましょう

僕の幸いが 皆の幸いで あるような 皆の幸いが 僕の幸いで あるような

そんな場所まで どこまでも 

どこまでも どこまでも …

*

あぁ 汽笛が聴こえる

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