2023-08-06 / 最終更新日時 : 2023-08-06 trobairitz 光器を変えずとも 人は変わる。これに驚く人はいまいが、それでも本質は変わらない、という人がいる。 例えば三つ子の魂100まで、というようなものかもしれない。 けれど本質とは赤子の頃から決まっているものと考えることもできる。 だから、本質も […]
2023-07-23 / 最終更新日時 : 2023-07-23 trobairitz 光夏を笑う 晴れの日も雨の日も、身体のずっと奥から吹いてくる風がある。 その風の中には、自分が見てきた美しいものが満ちている。 どこまでも自由に感じた、乾いた風。土砂降りなのに、あの日の日差しがまぶしい。あの日の暑さを感じる。 どこ […]
2023-07-20 / 最終更新日時 : 2023-07-20 trobairitz 光梅雨 昔から雨は気にならない。 夏から秋を北欧で過ごしてからは余計にそうなった。 ‘ 美しかった夏の日の後に訪れた秋の雨を憂鬱という人はたくさんいたけれど、雨に濡れる植物からはいつでも小さな笑い声が聞こえるようだと […]
2023-07-19 / 最終更新日時 : 2023-07-20 trobairitz 光日々繰り返す出来事の一つだけれど このブログを応援してくれたお友達と疎遠になって、何やら何も書く気がしなくなってしまってしばらくぶりの更新です。でも、そろそろ受け入れることができるようになりました。 人と人が、同じ方向を向いていられる時間も、互いを好きで […]
2022-10-02 / 最終更新日時 : 2022-10-02 trobairitz 光浜辺の音(琴ケ浜、島根県) 鳴き砂で有名な島根県の琴ケ浜。 歩くと砂同士がキュ、キュとこすりあう音がします。 私はそれまで鳴き砂がたてる音を聞いたことがありませんでした。 海水浴シーズンを終えた広い海岸線に沿って、一歩、一歩、キュ、キュ、という音を […]
2022-09-20 / 最終更新日時 : 2022-09-20 trobairitz 光(お話)雨のまどろみ (空と大地のはざまで) 雨の日の地中から小さな震動が響く 雨粒が地面を打つ音ではない 地中からあるいは地表から、雨音に合間に交じるささやきのような音 それはこだまのようだけれど、木霊でなく、どちらかといえばすべての植物、 […]
2022-09-04 / 最終更新日時 : 2022-09-04 trobairitz 光(お話)トカゲとアゲハの幼虫 私は白い箱の中で暮らしている。体が不自由なのだ。 小さいころからなぜか腕を失う幻影をよく見ていた。そして、ある朝目覚めたら、本当に腕がなかった。 ただ、そう驚きも気落ちもしなかった。腕がないのはそれなりに不自由だったが、 […]
2022-08-01 / 最終更新日時 : 2022-08-01 trobairitz 光(お話)天文または宇宙の模様 ひどく暑い午後を越え、気持ち良い風が吹く夕べのことだ。 そのころ私は、私のために大きな犠牲を払った弟に対して、その犠牲を贖えるものを見つけたくて、長い旅をしている時で、自分では思いがけない人に出会ったり、思いがけない場所 […]
2022-06-20 / 最終更新日時 : 2022-06-21 trobairitz 光(お話)ミカンとひよこ 森は夏の気配に満ちている。花の香、土の匂い、葉のささめき。 日差しは強く気温は高いが、木陰にいれば暑くはない。踏み固められた道を、町に向かって下っていたが、途中、小さな倒木があって、その上に夏ミカンの木があった。座るのに […]
2022-05-17 / 最終更新日時 : 2022-05-17 trobairitz 光(お話)雨上がり 「お前はとても汚いわ」薄汚れた犬を見て、お嬢さんは顔をしかめた。雨はとても激しいけれど、この子を家に入れると、後が大変かもしれない。 「玄関まででいいかしら?」 お嬢さんは歌うようにそういって、濡れそぼった犬を玄関口に入 […]