真剣な議論

ケーニヒストクローネのプリンと、モロゾフのプリンを食べ比べた。

翌日とかじゃなくて、ちゃんとその日に二つ買って、二つ開けて、スプーンで一口ずつ食べ比べた。

うん。

これには深いわけがある。つまりこれは真剣な議論です。本当です。

僕とミオさんは甘党である。二人とも大してプリンに思い入れがあるわけではないけれど、プリンは好きだ。博多の西通りプリンとか奈良の大仏プリンとか尾道の尾道プリンとか、これらご当地プリンはどれもうまかった。しかしご当地プリンは高いし、美味しいからと簡単に手には入らない。

そんな僕は、スーパーやコンビニではメイトーのなめらかプリンにはまってそろそろ十云年。あれは美味しいなー。

僕が小学生くらいの頃、ミオさんは、蒸し器でよくプリンを作ってくれていた。100%手作りプリン。

あれだけは別格なんだけど、とはいえ、僕の舌は別に自然は素材に敏感に反応する舌ではなく、ひたすらに自分の好みに反応する。

身もふたもないけれど、化学調味料だって、程よく煩悩でキャッチして、ミオさんに呆れられながら人口甘味料万歳と食べ歩いていることもある。それにミオさんがプリンを作らなくなって云十年。僕は大人になり、普段はメイトーのなめらかプリンで幸せを買い、気分転換にグリコのプッチンプリンを買ったりする。たまに食べるとこってり感に感心して悪くない。卵で固まってない感満載で、あれはいつ食べても、煩悩食(煩悩にひたすら訴えるように作られた食品)食べてるなーと思っちゃうけど。
さて、僕は結構お茶会の買い出しをしていて、最近はめっぽうデパ地下好きになった。というか、コロナでお出かけしなくなって、みんなで集まる際のおやつを少し奮発してデパ地下に通っているだけなのだけど、価格と美味しさを鑑みて、僕の財布が苦しくなく、みんなで美味しく食べれるものって、意外に限られてくる。ミオさんおすすめの仙太郎はすでに通う勢いだし、亀屋良長の洋菓子(ここのプリンも美味しい!)とか、個人的な押しもある。全国レベルのお菓子も京都市民としては手が伸びづらい面もあるんだけど、もちろん楽しまない手はない。

さて、僕はケーニヒストクローネは長い間ゴブレンツ一筋だったんだけど、これはコーヒーゼリー。抹茶ゼリーやパフェ、焼き菓子もあって、価格は手ごろで大きな外れはないケーニヒストクレーネだから、お持たせには使うけれど、自分用おやつに買うのはゴブレンツ。これだけ。

その僕に、同じゴブレンツ好きの店員さんが、僕はカスタードプリンも好きです、と言うので買ってみたら、これが本当にうまかった。

それで、最近は僕はややしつこい甘さは欲しいがアッサリした気分の時はゴブレンツ(餡子と白玉が入っているので、おなか一杯になるし、餡子が後を引くので甘さとしてはアッサリ感は小さいけどさ)、もっとがっつり気分の時はプリン、となった。その話をミオさんにしたら、モロゾフのプリンとどう違うか聞かれた。確かにミオさん家で食べるプリンはモロゾフだ。旦那さんが好きだったらしい。

それで比較してみたわけである。ね、深い訳があったでしょう。

価格がほぼ同じプリンなので、正直そこまで違わなかった。けれども、やはりレシピと材料の違いがあるわけで、カラメルの味は非常に似ていると思ったし、生地の味も一口目にはほぼ同じかな、と思ったけれど、やっぱり違った。

卵感が強いのがケーニヒストクローネ。砂糖が少ないのかな。蒸していないかもしれないけれど、喩えるなら、と考えたら母が作る茶碗蒸しが浮かんだ。卵の風味があるプリンだ。甘さとしてはキビ砂糖だったとしても驚かない感じ。

モロゾフのプリンの方は上品。口当たりが最初から最後まで優しい。喩えるなら、こんにちは、お邪魔します、とやって来て、かわいらしくおしゃべりして、お邪魔しましたと去っていく白いワンピースのお嬢さんみたいだ。砂糖も癖のないものを選んでいると思う(白砂糖とかグラニュー糖に近いものかな?)。卵の風味は少なめだと思うけれど、トロトロプリンと違ってクリーミィなプリンじゃないので、まぁ何と比較するかによるとは思う。

僕は普段、卵感がほぼゼロに近いメイトーのなめらかプリンを愛食しているので、ごくごく個人的には、デパ地下で買うなら甘さより卵感が先立つケーニヒストクローネのプリンかな。と言ったら、電話の向こうで僕と同じ論評に挑んでいた友人に私はモロゾフ、とさえぎられた。

しばし考えてみた。。。どっちもうまかったし、知名度も考慮すると、お土産にはモロゾフ、自分のおやつにはケーニヒストクローネを買ってしまうかもしれない。

うん。

じゃぁ、ミオさんにはそう言っておこう…。

それにしても日本のプリンって、幅広いよなぁ。。。

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