子供の成長④

僕が僕らしくあるために 僕は夢を持った

僕が僕らしくあるために 僕は夢を追う

では土の匂いは?

土の匂いを知ったのは いつだったろう

人類が 生まれいでし時に 土を離れて もう数えきれないほどの 朝と夜を超えた現代も

人は 土とともに 生きている

それは 連綿と続く営み

僕にとっても きっとそれは ごくごく幼いときだった

母や父に手を引かれて 外の世界に出た日から 一歩一歩 

だけど記憶の底を探って一番に出てくるのは そう (イバれることじゃないけれど) 

がむしゃらに畑仕事でアルバイト

おこずかい欲しさにやっていたことなんだ だけど胸をすく 達成感

あの頃、小さかった僕が耕した畝から

掘り上げた芋から

土の中にいる たくさんの虫とやりあいながら 大地を知り 植物の うねりを知り 

そして その匂いを 吸い込んだ

その湿った感触 柔らかな肌触り 命をいつくしむ 深く豊かな匂い

そして また 砂場のへんてこな湿った砂 野球場の乾いた砂 砂利道の匂い 山辺の匂い

土は常に 生命をその内側に 抱いている

僕を 内側から 満たす 匂い

 

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